メルカリでまとめ売りを出していたら、コメントで「バラ売りできますか?」って来ること、ありますよね。ここ、正直ちょっと身構えるポイントかなと思います。
というのも、メルカリのバラ売りは公式に用意された機能ではなく、やり方を間違えると購入者が混乱したり、規約的にグレーな状態になったりしやすいからです。
バラ売りは禁止なのか、専用対応は大丈夫なのか、送料込みの値段はどう考えるのか、相場はいくらが妥当なのか……初めてだと悩むのが普通ですよ。
この記事では、私が買取研究所を運営する中で実際によく相談を受ける内容をベースに、メルカリのバラ売りのやり方を基礎から実践までまとめています。
断り方やトラブル回避の考え方まで含めて整理しているので、この記事を読み終わる頃には「どう対応すればいいか」がかなりクリアになると思います。
メルカリのバラ売りのやり方:基礎編
・バラ売りは禁止か
・バラ売りのメリット
・バラ売りのデメリット
・バラ売りと規約
まずは前提となる考え方から整理します。ここを曖昧なまま進めると、あとで「こんなはずじゃなかった」となりやすいので、しっかり押さえておきましょう。
メルカリのバラ売りとは
メルカリにおけるバラ売りとは、複数の商品をまとめて出品している状態から、購入者の希望に応じて一部の商品だけを個別に販売する行為を指します。
たとえば、ゲームソフト3本セット、トレカ10枚セット、洋服上下セットなど、本来は「まとめて1商品」として出しているものを、途中から1点単位に切り分けるイメージですね。
ここで大事なのは、バラ売りはメルカリ公式が用意した販売形式ではないという点です。つまり、ボタンひとつで「この中から1点選んで購入」みたいな仕組みは存在しません。
あくまで、出品者がページを編集したり、新しく出品ページを作ったりして対応する、かなりアナログなやり方になります。

そのため、バラ売りには明確な「正解の型」というより、トラブルを避けるための考え方があります。購入者が誤解しない状態を作ること、第三者が見ても内容が分かること、購入前に条件が固まっていること。この3つを満たしていれば、実務的にはかなり安全です。
私が買取相談でよく見るのは、「とりあえずバラ売りOKって書いておけばいいでしょ?」というケースです。ただ、この書き方だと、複数人から同時にコメントが来たり、誰が何を買うのか分からなくなったりしがちです。バラ売りは便利な反面、管理が雑だと一気に面倒になります。
だからこそ、最初に「自分はどんな場合にバラ売りを受けるのか」「どんなやり方で対応するのか」を決めておくのが大事です。全部に応じる必要はありませんし、手間や送料を考えて断る判断も、出品者としてはまったく普通です。
買取の現場でも「まとめて売りたいけど、一部だけ欲しいと言われた」という相談は本当に多いです。バラ売りは売れる間口が広がる一方で、管理コストが増える点は必ず意識しておきましょう。
バラ売りは禁止か
結論から言うと、メルカリでバラ売りをすること自体は禁止ではありません。ただし、やり方を間違えると規約違反に近づいてしまう、というのが正確な言い方かなと思います。

特に注意したいのが、いわゆる選択式出品です。これは、1つの出品ページに複数の商品を載せておいて、「コメントで欲しい番号を選んでください」「購入後に指定してください」といった形式のことを指します。
この状態だと、購入ボタンを押した時点で「何が届くのか」が確定していませんよね。
メルカリはフリマ形式とはいえ、購入時点で商品内容が明確であることを前提としています。そのため、選択式はトラブルの温床になりやすく、運営から見ても問題視されやすいです。実際、削除や注意対象になるケースもあります。
この考え方は、メルカリの公式ガイドにも一貫して表れています。出品や取引のルールについては、必ず公式情報を確認するのが前提です。判断に迷う場合は、メルカリ公式ガイドライン(出典:株式会社メルカリ 公式ヘルプ)を一度目を通しておくと安心です。
逆に言えば、購入前にコメントで条件をすり合わせ、その内容に合わせて商品ページ自体を作り替える形であれば、実務上はかなり安全です。購入ボタンを押した瞬間に「この商品がこの条件で届く」と分かる状態を作る、これが最大のポイントです。
注意:メルカリの規約や運用は変更されることがあります。最終的な判断は必ず公式情報をご確認ください。この記事は一般的な考え方の整理であり、個別ケースの最終判断を保証するものではありません。
バラ売りのメリット

バラ売りの一番のメリットは、売れるチャンスが増えることです。まとめ売りは管理が楽な反面、「全部はいらない」という理由でスルーされるケースが多いです。ここ、出品者としてはもったいないですよね。
購入者側の目線に立つと、「欲しいのは1点だけ」「予算的に全部は厳しい」というケースは本当に多いです。バラ売りに応じることで、そのピンポイントな需要を拾えるようになります。結果として、回転が早くなり、在庫を抱える期間が短くなることもあります。
出品者側のメリットとしては、価値の高いものを切り出せる点も大きいです。セットだと埋もれていた人気商品が、単品にすることで相場通り、あるいはそれ以上で売れるケースも珍しくありません。写真や説明文も1点に集中できるので、アピール力も上がります。
また、価格帯が下がることで、購入のハードルが下がるのもメリットです。高額なセットは迷われやすいですが、数百円〜数千円の単品なら、即決されやすい傾向があります。
バラ売りを検討するときは、その1点だけでも需要があるかをまず考えるのがおすすめです。需要があるなら、バラ売りは武器になります。
バラ売りのデメリット
一方で、バラ売りには明確なデメリットもあります。まず避けて通れないのが送料負担の増加です。まとめて1箱で送れば済んだものが、1点ごとに送料がかかるようになります。
特に、サイズが大きい商品や、補償付き配送を使う必要がある商品では、送料が利益を大きく削ります。「売れたけど、ほとんど残らなかった」「むしろ赤字だった」という相談も珍しくありません。
次に、手間の問題です。写真撮影、説明文作成、梱包、発送、取引メッセージ……これらを点数分繰り返すことになります。副業やスキマ時間でやっている人ほど、負担を感じやすいポイントです。
さらに、管理ミスのリスクもあります。元のセットページを放置したままにしていると、別の人が誤って購入してしまう可能性があります。この場合、キャンセル対応が必要になり、評価やストレスにも影響します。

「手間や送料を考えると割に合わない」と感じたら、無理にバラ売りを受ける必要はありません。断ることも、立派な出品者判断です。
バラ売りと規約

バラ売り対応で一番意識してほしいのは、購入前にすべてが確定している状態を作ることです。これは規約というより、トラブル回避の鉄則です。
具体的には、コメントで「どの商品を」「いくらで」「どの発送方法で」売るのかを合意し、その内容に合わせて出品ページを整えます。購入後に条件を変えるのは難しいので、必ず購入前に固めます。
専用表示についても注意が必要です。○○様専用と書いても、メルカリの仕組み上は誰でも購入できます。先着順が基本という点を理解したうえで、あくまで「他の人に配慮をお願いする表示」だと考えたほうが安全です。
規約や運用に不安がある場合は、公式ヘルプを確認し、それでも判断に迷うなら経験者や専門家に相談するのがおすすめです。最終的な取引判断は、出品者自身の責任になります。
メルカリのバラ売りのやり方:手順編
・バラ売りの専用対応
・バラ売りの送料設定
・バラ売りの価格相場
・まとめ:メルカリのバラ売りのやり方
ここからは、実際にバラ売り対応をするときの具体的な進め方を整理します。ポイントはシンプルで、「どの方法を選ぶか」「送料と価格をどう考えるか」を最初に決めておくことです。ここを曖昧にすると、途中で混乱しやすくなります。
バラ売りの出品方法

メルカリでバラ売りをする方法は、大きく分けて2つあります。既存の出品ページを編集する方法と、新しく単品用の出品ページを作る方法です。それぞれに向き不向きがあるので、状況に合わせて選びます。
既存ページを編集する場合
この方法は、すでに「いいね」や閲覧が集まっている出品で、かつ誤購入のリスクが低い場合に向いています。流れとしては、コメントで購入者と「どれを売るか」「価格はいくらか」を確定させ、その内容に合わせてページを編集します。

具体的には、写真を単品だけに差し替え、タイトルから「セット」「まとめ売り」といった表現を削除します。説明文にも○○のみの出品と明確に書き、他の商品は含まれないことをはっきりさせます。価格と発送方法も、単品サイズに合わせて見直します。
この方法の注意点は、編集作業中や編集後に、別の人が誤って購入してしまうリスクです。コメント欄で「このページは現在調整中です」と伝えるなど、ひと工夫しておくと安心です。
新規で単品ページを作る場合
私が基本的におすすめしているのはこちらです。元のセット出品は残したまま、依頼された商品1点だけを新しく出品します。タイトルや説明文に「○○様専用」「バラ売り依頼品」と書くことで、第三者にも状況が伝わりやすくなります。
この場合、元ページには注意書きを入れるか、場合によっては一時的に公開停止にします。こうすることで、誤購入のリスクをかなり下げられます。管理の手間は増えますが、トラブル対応に時間を取られるよりは、結果的に楽になることが多いです。
購入前に条件を確定 → ページ内容を単品仕様にする → 購入してもらう。この順番を崩さないことが、バラ売り成功の近道です。

バラ売りの専用対応
バラ売りとセットで悩みやすいのが「専用にしていいのか?」という点ですよね。メルカリには公式の専用機能はないため、専用はあくまでユーザー間の慣習です。
専用対応をする場合は、タイトルに○○様専用と入れ、説明文にも「○○様からのバラ売り依頼品です」と書いておくと親切です。ただし、専用と書いても、システム上は誰でも購入できる状態であることは変わりません。
だからこそ、専用にしたら長期間放置しないのが大切です。「今日中に購入予定です」「○日までお取り置きします」など、コメントで期限を共有しておくと、後のトラブルを防ぎやすくなります。
また、先に別の人が購入した場合に、無理にキャンセルさせる行為は規約的にもリスクがあります。専用はあくまで配慮の表示であり、絶対的な権利ではない、と理解しておくのが安全です。

専用対応やメッセージ文面に迷ったら、フリマ向けの例文を参考にするとスムーズです。取引文章の考え方については、買取研究所の関連記事も役立ちます。yahooフリマの取引メッセージ例文テンプレ
バラ売りの送料設定
バラ売りで一番シビアなのが送料設定です。基本的な考え方はシンプルで、送料は必ず販売価格に含めるのがおすすめです。購入者にとって分かりやすく、後から揉めにくいからです。
発送方法は、商品サイズと価格帯を基準に選びます。小型で低価格ならポスト投函系、高額なら追跡・補償付き配送、という考え方が基本です。梱包後のサイズを必ず測り、発送直前で慌てないようにします。
| 判断基準 | チェック内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| サイズ | 梱包後の厚み・重さ | 想定より膨らむことが多い |
| 価格 | 商品単価 | 高額は補償を優先 |
| 安心感 | 追跡・匿名 | 購入者満足度に影響 |
注意:配送サービスの料金や条件は変更されることがあります。必ず最新の公式情報を確認したうえで、最終判断は自己責任で行ってください。
バラ売りの価格相場
バラ売り価格を決めるとき、ありがちな失敗が「セット価格を単純に割る」方法です。これは送料と手数料を考慮していないため、気づかないうちに赤字になりやすいです。

私がおすすめしているのは、まず単品での市場相場を確認することです。同じ商品がいくらで売れているかを見て、その価格帯から送料と手数料を引いて、手元にいくら残るかを計算します。
販売手数料は一定割合でかかりますが、正確な数値や条件は必ずアプリや公式案内で確認してください。ここは断定せず、「目安」として考えるのが大切です。
販売価格 − 送料 − 手数料 = 手残り。この式を基準に、最低限いくら残したいかを先に決めると、価格で迷いにくくなります。
| 項目 | 例(目安) | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 販売価格 | 900円 | 相場から外れていないか |
| 送料 | 210円 | 梱包後サイズで確定 |
| 手数料 | 一定割合 | 公式表示で確認 |
| 手残り | 残額 | 赤字でないか |
相場が低い、送料が高い、手間が重い。この3つが重なると、バラ売りは正直つらいです。その場合は、まとめ売りを続けるか、宅配買取など別の手放し方を検討するのも現実的な選択だと思います。

まとめ:メルカリのバラ売りのやり方
メルカリのバラ売りのやり方は、操作自体は難しくありませんが、順番と考え方を間違えると一気に面倒になります。購入前に条件をすり合わせ、単品として内容が確定したページを用意し、送料と手数料まで含めた価格で出品する。この流れを守るだけで、トラブルはかなり減ります。

一方で、規約や送料体系、手数料などは今後も変更される可能性があります。最終的な判断は必ず公式情報を確認し、不安がある場合は無理に対応せず、経験者や専門家に相談することも大切です。あなたの出品スタイルに合った形で、無理なくメルカリを使っていきましょう。

